masa osada
(更新)
「よし! 英文法を勉強するぞ!」と参考書を開いたのはいいものの、難しい文法用語が出てきた途端にウンザリ……なんて、誰しも体験したことがありますよね。
数ある小難しい文法用語の中でも、多くの人がつまずいてしまうのが「可算名詞」と「不可算名詞」。
「数えられる名詞と、数えられない名詞」と言われても、あまり納得できなかったことはないでしょうか? “数えられるもの” はイメージできるとしても「数えられないもの」とは一体……?
今回はそんなあなたのために、掴みどころのない「可算名詞」と「不可算名詞」の見分け方をご紹介します。
可算名詞とは、“ a dog ” “2 dogs” など数えられる名詞のこと。逆に1つ2つと数えずに「リットル」「グラム」など量で測る “water” や “beef” などを不可算名詞といいます。
辞書で名詞を調べると[C]や[U]と書かれているのを目にしますね。
[C]は “Countable” の “C” で可算名詞を意味し、そして[U]は “Uncountable” つまり不可算名詞を意味します。
辞書を引きながら覚えていくことが大事ですが、むやみやたらに暗記しようと思っても難しいもの。
今回は「不可算名詞」の簡単な見分け方をご紹介します。
可算名詞と不可算名詞を見分けるには、「絵に描きやすいかどうか」を考えると見分けられるようになります。可算名詞は絵に描きやすく、不可算名詞は絵にしづらいものが多いのです。
「可算名詞は絵に描きやすく、不可算名詞は絵にしにくいもの」と覚えるとよいでしょう。
代表的な不可算名詞をご紹介します。「絵に描きにくい」ことを確かめてみてくださいね。
絵に描きにくいものの1つに、液体や気体があげられます。
例えば以下のようなものです。これらはすべて不可算名詞として扱われています。
「ワインやビールは絵に書きやすいでしょ?」と思う方もいるかもしれません。ですが、その思い浮かべる姿はワイングラスやビールジョッキに注がれていたり、ビンの中に入っていたりしませんか? そのためワインは “a wine” と言わず “a glass of wine” と、ビールは “a beer” とは言わず “a bottle of beer” といいます。
次は素材や食材、それと食べ物です。不可算名詞に分類されるものは、「切って小さくしても性質が変わらない」ことが特徴です。代表的なものは以下のとおり。
注意したいのは、素材・食材、食べ物の中でも「切って小さくすると形が変わるもの」は可算名詞に分類されるということ。
例えば、“cake(ケーキ)” “pizza(ピザ)” “carrot(ニンジン)” “apple(リンゴ)”などは、切り分ける前は可算名詞なのに対して、切り分けた瞬間から不可算名詞となります。
考え方が少し難しいのですが、“cake” といえば、ホールケーキのこと。一度切ってしまうと「ホールケーキ」ではなくなってしまいますよね。そのため、丸ごとのケーキの場合は可算名詞なのです。
なお、不可算名詞の “cake” を数えるときは “a piece of cake”、“honey” は重さを使って “50g of honey(50gのはちみつ)” や “2 tablespoons of honey(大さじ2杯のはちみつ)”、という言い方をします。
「感情」は数えられないものです。そのほかにも「概念」など目に見えないものも不可算名詞に分類されます。以下が代表的なものです。
最後は固有の形がはっきりしないものです。つまり“何かの総称” として使われている単語です。
ほかにも果物全般を指すときの “fruit” なども、不可算名詞扱いになります。
ちなみに日本語では1つ2つと数えられる名詞でも、英語では不可算名詞になってしまう名詞もあります。これらは、暗記するようにしましょう。
よく英検やTOEICなどの試験にも出てくるので試験対策用に覚えておいて損はありませんね。
さて、ここまでで不可算名詞についてだいぶ理解できたかと思います。では “Chicken” はどうでしょうか?
実は “Chicken” は可算名詞であり不可算名詞でもあります。また、可算名詞か不可算名詞で意味が異なるという特殊な単語なのです。
可算名詞の場合は「ニワトリ」という意味に、不可算名詞の場合には食材である「鶏肉」といった具合に、意味合いが異なるのです。
このように、一部の名詞は使われる状況に合わせて、あるときは可算名詞に、そしてあるときは不可算名詞に変わります。一度に覚える必要はありませんが、参考程度に覚えておくと今後の勉強が捗るはずです。
どれが可算名詞でどれが不可算名詞なのか、1つ1つを全て覚えるのはなかなか難しいかもしれません。ですが、まずは今回ご紹介した基本的な見分け方を参考にしてみてください。それだけでたいていの名詞が、可算名詞なのか不可算名詞なのか区別できるはずですよ!
あとは辞書を使って1つ1つ確認していくうちに、徐々にパターンが身につくようになります。焦らずきっちり覚えていきましょうね!